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その「目標」があなたのやる気を奪っていた?

僕が大学受験をひかえる高校3年生の夏休み、非常に頭を悩まされる問題がありました。
それは、「どれだけの時間を勉強すれば、志望する大学に合格できるのか?」というものでした。

書店で過去問を立ち読みしたとき、
志望していた大学の数学試験が、あまりにも難しいことに気づいてしまったのです。

「これを解けるようにするには、どれだけ勉強すればいいんだろう・・・」

そんな不安混じりの考え事ばかりをしていたことを覚えています。

そこで僕はまず、「毎日3時間は数学の勉強をする!」という、意気込みたっぷりの”目標“を立てました。
毎日3時間勉強すれば半年だけで1620時間にもなります。
それだけ勉強すればまず合格できるだろう、と考えたのです。

意気込みは良かったのですが、案の定、毎日3時間も数学に時間を取ることができませんでした。
毎日寝るときには「今日も数学を3時間勉強するという目標を達成できなかった・・・」と、立てた目標を守れない罪悪感に苛まれました。

それから、僕は徐々に数学を勉強するモチベーションを失っていき、
結果的には、その目標すら元々無かったことにしてしまったのです。


あなたも、同じように目標を立てたことがあるのではないでしょうか?

  • 毎日、最低でも英語を3時間勉強するぞ!
  • 1日30回、腹筋をやるぞ!
  • 1日20ページ、資格の参考書を読み進めるぞ!

etc…

しかし、残念ながらこのように目標を立てるとうまくいかないことの方が多いのです。

何がいけないのでしょうか?

要因は様々あるのですが、
(行動計画を目標にしている、毎日締めにしている、ズレた目標の可能性が高い etc…)
そのうちの一つに、「表現の仕方」に問題があります。

目標は正しく表現しなければ、かえって行動を起こすやる気を徐々に奪っていきます。

これは、誰もがやりがちな落とし穴です。

「誰もがミスする場面を、確実に回避していく」

この記事で対処法をしっかり学んでいきましょう。
これだけで、あなたの目標達成力はグンッと跳ね上がるのです。

「機能する目標」とは?

そもそも、人は何のために目標を立てるのでしょうか?

あなたは、なぜ、その目標を立てようと思ったのでしょうか?
そこにヒントがありそうです。

僕なりの答えを示したいと思います。

まず、「目標」は、決して「過去」に向けて立てられるものではありません。
「5年前の2月14日に本命のチョコレートを10個もらう!」という目標はあり得ないわけです。

となると、その「目標」がどのような文章であれ、これからの「未来」のことを語っていることになります。

そして、目標として語られることは、「現時点では達成できていない」という前提があります。
ダイエットにおいて、「2ヶ月で5kg痩せる!」という目標が立てられる前提には、

「現時点の体重に不満があり、未来に訪れるであろう5kg痩せた自分の身体を求めている」

という思考があります。

よって、僕の現時点での「目標を立てるのはなんのため?」に対する回答は、
「目標設定者が、未来に手に入れたい理想を手にするため」となります。

ここからが僕が強調したい部分なのですが、

「未来に手に入れたい理想」を手にするためには、「行動を起こさなくてはならない」という事実を突きつけられることになるのではないでしょうか?
というのも、現時点で達成できていないものは何かしらの「行動」を起さない限り、自動的に達成されることはほとんどありえないからです。

「Apple Watchが欲しいなぁ〜」といくら頭の中で考えていても、空から都合よくApple Watchが降ってくることはまずないわけです。
(FacebookなどのSNSで「Apple Watch欲しい!」と発言することで、誕生日にプレゼントしてくれる人が出るかもしれませんが、これはあくまでも「SNSで発言する」という行動を取った結果です)

「マネジメントの父」とも呼ばれるP・F・ドラッガーも、目標達成における「行動」の大切さを強調しています。

目標を検討するのは、知識を得るためではなく行動するためである。

(中略)

目標は実行に移さなければ目標ではない。夢に過ぎない

つまり、「機能する目標」とは「目標設定者の行動を促してくれる目標」なのです。
逆に、行動を起こす気になれない目標は「機能しない目標」ということになります。

では、「行動を促してくれる目標」を立てるためにはどうすれば良いのでしょう?

機能する目標の立てる方法、それが「I will be doing目標設定法」

行動を促してくれるように機能する目標を立てるために、
僕が提案したいやり方は、「I will be doing目標設定法」です。

英語が出てきましたが、噛み砕いて説明するのでご安心ください。

「will be doing」とは、未来進行形のことです。

僕は、目標に行動促進効果を付与するために、未来進行形のニュアンスをうまく利用したいのです。

やりがちな目標表現 I will be doing目標設定法での表現
3ヶ月でTOEICの点数を200点あげる 私は、7月9日の時点で、TOEIC700点以上を取っている
ダイエットして、2ヶ月で5kg痩せる 私は、6月9日の時点で、体重を55kgを下回っている

 

未来進行形とは、要は、「私は(未来の一時点で)、○○をしている」という表現になるのですが、
この表現がまるごと「未来で起きている“状態”を説明している表現」になっていることがポイントです。

有名英文法教材の一角をなす「一億人の英文法」には、未来進行形のニュアンスについて、以下のように記されています。

進行形が単に「そうした予定です」と述べているのに対し、Will be -ingはそのとき行われている出来事を想像し見通しているニュアンスが加わっています。日本語の「〜しているところだろう(だよ)」にとっても近い表現。

(中略)

未来のできごとのなりゆきを単に想像するこのWill be -ingは、最も「特別な色のつかない」純粋な未来表現だったりもするのです

「そのとき行われている出来事を想像し見通しているニュアンス」が最重要です。
目標を達成する上では、未来に自分がどうなっているかの明確なイメージを持っていた方が、それが実現される可能性が大幅に上がるからです。

他にも、目標の表現を「私は、(未来の一時点で)〜をしている」にすることで、以下のメリットがあります。

  • 「自分がやるんだ」という当事者意識が生まれる
  • 目標が達成できたか評価できる
  • 自由に行動できる

それでは、1つずつ解説していきます。

「自分がやるんだ」という当事者意識が生まれる

「私は」と文頭につけて目標を表現することで、「自分がやるんだ」という当事者意識を持つことができ、行動を起こす可能性が上がります。

これは「意図する」ことに繋がるためで、脳の毛様体賦活系を活性化し、その目標を達成するための情報を集めるようになるためです。
意図することの効能については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

たったこれだけですが、これだけでも行動を起こそうとする気になるので、大きなリターンを得られます。

目標が達成できたか評価できる

一度目標を立てたら、あなたが解放される方法は2つしかありません。

  • 目標を達成する
  • 目標の達成を諦める

目標を達成したと評価できないと終わらせることができなくなるので、「評価できるように表現する」ということも非常に重要です。

未来進行形では、「未来の一時点での状態」を表現するので、決めた日になったらその状態になっているか評価できます。

評価するためにもTOEIC700点や体重55kgのように数字で表現されていることが望ましいですが、
「英語が話せるようになっている」のように曖昧な目標であっても、主観的な感覚でも達成できている、できていないが評価できるので有用です。
(目標設定者がそれで満足できているのであれば、終わらせても大丈夫です)

また、「終わりが見通せる」ことは行動のモチベーションを上げるため、行動を起こすことにつながります。

自由に行動できる

未来進行形で目標を表現すると、未来の一時点だけを指し示すので、「最終的にこうなっていてくれれば自由に何をやってもいいよ」という安心感があります。

先程の例だと、決められた一時点までにTOEIC700点を取れれば何をやっても良いのです。
たまにはサボってしまう日もあるでしょうし、とても集中できて10時間勉強できる日もあるでしょう。
また、より有用そうな勉強法を見つけたのでそちらを試してみる、ということもできるようになります。

要は、ノルマにしていた3時間勉強することが達成できずに一喜一憂するリスクが取り除かれるのです。

自分のペースで勉強方法をアレンジできることは、モチベーションを引き上げ、行動を起こすことにつながります。

 

未来進行形で目標を設定することは、行動に繋げやすくなるメリットを多く含んでいます。

目標を設定する際には、「私は、(未来の一時点で)〜をしている」と表現してまいりましょう。

「行動」に繋がる目標を立てよう

全ての目標は、あなたのモチベーションを上げてくれたり、行動の難易度を下げて、焦りではなく気軽な気持ちにさせてくれる目標であるべきです。
なぜそう言い切れるかというと、目標はあくまでも行動を起こすためのサポートツールだからです。

「目標」があなたの行動を抑制してしまうことは本末転倒です。

そのため、極論を言ってしまうと、別に目標は立てなくてもいいのです。
(ただし、あなたが目的を果たすための行動を起こせているならの話です)

「自分は行動できているから目標はいらないな」

「自分はなかなか行動できないから目標を立てようかな」

これくらいのスタンスで目標と付き合っていただき、
もし目標を立てるのであれば、しっかりと「機能する目標」を立てていただきたいと思います。

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