こんばんは、くろっきーです。
今日もダニング・クルーガー・エフェクトのグラフ解釈をTOEIC学習に絡めて見ていこうと思います。
今日は、Phaseごとにどのような心境の変化が自分自身に起きるのかを中心に考えてみます。
Phaseは、3つに分けてみました。
Phase1:自信過剰(グラフの頂点)に向かう過程(赤マーカー)
Phase2:自信喪失(グラフの降下点)に向かう過程(青マーカー)
Phase3:自信漸増の過程(黄色マーカー)
【Phase1】
ダニング氏とクルーガー氏によると、自分の真の能力がどうであれ、自分自身に「優越感」のようなものを感じている時には、
・能力の高い人物の場合は外部(=他人)に対する過小評価
・能力の低い人物の場合は内部(=自身)に対する過大評価
の、どちらかの評価を行なっているのでした。
ここでは、まだ能力が低いことを想定し、自己過大評価の評価態勢を取っていることを前提に書いていきます。
TOEIC学習に当てはめたとしたら、単語や文法、発音などの基礎学習を行なっている時にこの現象が生じやすいと考えます。
基礎を補っていくということは、自分の実力の底上げがなされることになります。
実際に実力は伸びていくのですが、過剰に実力が伸びることに期待をしてしまうと、ダニング・クルーガー・エフェクトにハマってしまいます。
例えば、「単語を頑張って1000個も覚えた!これで十分Readingを読んで行ける!」と思っても、その単語数は真に習得しなければならない単語数からはかけ離れているわけです。
まだまだ足りていないのに、「これで充分だ」と判断してしまうところに自己への過大評価が生じているかと思います。
この調子で自己過大評価を進めていくと、次のPhase2でものの見事に打ちのめされることになります。
【Phase2】
このPhaseでは、困難に直面して現実を突きつけられることで、これまで発達させてきた自信が急激に削られていきます。
TOEIC学習においては、実際に問題を解いていく時にこの現象が生じやすいと思います。
先程の「頑張って単語を1000個覚えたし、これで充分だろう」と考えた人が実際に問題を解いてみると、さほど解ける問題数が増えていないことに気付かされます。
このような負のフィードバックがなされると、自分が思い描いていた期待通りのパフォーマンスにならないというギャップに悩まされていきます。
(これにより自信が削られていきます)
今回は単語1000個というわかりやすい少なさにしていますが、実際には単語を3000〜5000個近く覚えたとしても、まだまだ知らない単語が散在していることに気付かされるはずです。
自分の真の実力を客観的に確認でき、「まだまだ自分には努力が足りていない」と気づいて自己認識が修正されることで、Phase3に移っていくことができます。
【Phase3】
このPhaseでは、自分が目を背けていた弱点や、やり残していたことに目を向けて、それを克服しようと努力をしていくことで”本物の自信”が育っていきます。
TOEIC学習で言うならば、更に別の単語帳で単語を補強したり、多解きの途中で出会った知らない単語や文法事項を暗記していくことがこのPhaseに当たると思います。
自分が間違った部分を修正したり、まだ覚えていなかったことを確実に覚えていく学習は、確実に自分が掲げている目標や理想の自分像に近づいていることが実感できる工程です。
(以前の「満点への戦略」でも、「出会う」ことと「修正する」ことが、確実かつ唯一の道であると説明しました)
この戦略を念頭に置きつつ、淡々と前に進めていくことで“本物の実力”がついていきます。
そして、次々と解ける問題が増えていくので、それが正のフィードバックとなり、次第に自信が蓄えられていきます。
この時に、過去に自信過剰になってから自信を大きく喪失する経験をしていると、その経験がこれからの自信の過剰発達を抑制してくれるので、謙虚に学習を前に進めていくことが可能になると考えています。
ダニング・クルーガー・エフェクト関連の投稿では、「自信過剰」が悪者のように書いてきましたが、過去の「自信過剰」の経験があったからこそ、結果として現在の「謙虚さ」を手に入れることができると考えれば、やはり一概に悪者扱いにはできないなと改めて感じました。
しばらく悩んでいた「優越感」の克服への一手が見えてきた気がします。
その一手を今日中にまとめて、明日にアウトプットできるようにしておきます。
また明日も報告します。