単語を制するものがTOEICを制する
「この単語の意味ってなんだったっけ?まぁいいか。」
これは、TOEIC835点だった頃に、知らない単語に出会った僕の思考です。
僕は、4ヶ月ほどの期間、TOEICの点数が840点前後で停滞していた時期がありました。
毎日必死に勉強しているのに、全く伸びなかったのです。
そんな停滞期に、とある方から
「それだけやって伸び悩んでいるなら、単語を集中的にやってみたら?」
とアドバイスされて、集中的に単語の暗記を1ヶ月ほど集中的にやった時期がありました。
結果的には、そのアドバイスがブレイクスルーに繋がり、
一気に点数が905点まで伸びたのです。
「単語」の勉強というと、
無機質なアルファベットの羅列を淡々と頭に叩き込む作業なので、
英語学習者のほとんどが避けて通ろうとする道だと思います。
やっていて楽しくないですし、他の学習法と比べると、
負荷も大きく大変なように思えてしまいます。
しかし、単語は文章の最小単位の構成要素である以上、
1つでもわからないとTOEICにおいては大きな損失となってしまします。
・正確に文意を取れる可能性が低くなる
・文章の内容が頭に入りにくくなる
・わからない単語で手が止まってしまい、読むスピードが落ちる
文章中に出てくる単語を1つ知らないだけで、
上記のような手痛いデメリットを被ることになってしまうのです。
このデメリットを被らないためにも、
「キツさ」を受け入れて単語学習に取り組む期間が、
TOEIC900点に達するためには必要であると考えています。
そんな「単語学習」を円滑に進めるために、僕が取り組んでいたことをシェアしようと思います。
どれくらい覚えれば十分?
その前に、「どれくらい覚えればいいのか?」という疑問に対して、
僕なりの回答をしておこうと思います。
とある調査によると、新形式でTOEIC900点に達するために必要な単語数は
「I」や「You」などの単純な単語も入れて9000~10000語で十分である、と出ています。
(9000~10000程度までは増やせば増やしただけ効果があり、
それ以上は1000~2000語増やした程度ではあまり点数に影響が出ないようです。)
確かに、客観的な情報として、それだけの単語力があれば、
TOEICの文章であれば十分読めるようになるでしょう。
しかし、僕はこの「9000~10000語」という数字は学習上ほとんど意味をなさないと考えています。
どういうことかと言うと、9000~10000語には達する必要はあると思いますが、
9000~10000語を目指して増やしていくものではないと思うのです。
なぜなら、「これだけの数をやればいいんだ~」という数字を意識した単語学習では、
「覚えた数」ではなく「こなした数」でカウントしてしまいがちだからです。
「こなした数」に意識が向いていると、
「これだけやったのにあと○○個か・・・。あとこんなにやらないといけないのか。。。」
と、ただでさえキツい単語学習に、更に追い打ちをかけることになってしまいます。
なので、TOEICにおいて重要な立ち位置にある単語学習を挫折せずに、長く続けるためにも、
「TOEIC900点に達した頃には、結果的に単語数が9000~10000語になっている」
というニュアンスとして捉えて学習を進めるべきだと考えています。
「単語数」という数字を全く意識せずに、
知らない単語を淡々と減らしていくことに集中するのが、
9000~10000語に達する最善策です。
言い換えると以下のようになります。
「TOEIC学習上で遭遇した知らない単語はすべて覚えるべきである」
これが僕なりの「どれくらい覚えればいいのか?」に対する答えです。
どうなれば「覚えた」と言えるのか?
この疑問については、明確な答えがあります。
単語を覚えるからには、その単語を「使える」ようにしなくてはなりません。
(「覚えたつもり」になっていて、本番に実際に「使えない」というのは本末転倒だからです)
それでは、「使える」単語とはどういうものかと言うと、
「その単語を見て、間髪入れずに日本語訳を言える状態」のことを言います。
例えば、「apple」という単語を見たときに、ほとんどの人が
間髪入れずに「リンゴ」と日本語訳を答えられると思います。
このレベルまで身体に馴染ませた単語は「覚えた」と言っても良いのではないでしょうか。
他の単語についても、このレベルまで覚えていくのがTOEIC学習では重要となります。
TOEIC900点に達するための単語の勉強方法
導入が長くなってしまいましたが、
900点に達するための単語の勉強方法を見ていこうと思います。
手順としては、2Stepだけです。
- 単語帳2冊分を覚える
- 知らない単語を抽出したリストを作り、1つ1つ覚える
順番に見ていきます。
1.単語帳2冊分を覚える
TOEICの単語を覚えていくには、この2冊があれば十分でしょう。
理由は、
・TOEICに頻出の単語がよく分析されて載っているから
・1冊に含まれている単語数が多いから
です。(金フレには1200単語、キクタンには1120単語が掲載されています)
やり方は、最終的にすべて”覚えて”いれさえすればなんでもOKですが、
僕は、ちまちま覚えていくのではなく、一気に大量の単語を詰め込むようにしました。
具体的には、1日100単語ずつを覚えていました。
「今日はここからここまでの100個を覚える」と範囲を決めて、
それ以外の単語は覚えようとはしません。
決めた範囲の1つ目の単語から順に、単語を見た瞬間に日本語訳が言えるかをチェックします。
(ここで言えなかった単語には✓をつけて次に進みます)
100個目まで終わったら、また1つ目の単語に戻り、再度すべての単語をチェックしていきます。
100個分すべて単語を見た瞬間に日本語訳を言えるようになったら終了です。
寝る前にもう一度100個言えるかチェックし、朝起きたらまた100個言えるかをチェックします。
(この寝る前と朝起きたときの復習がとても重要です)
この作業を毎日淡々とこなして、2冊分のすべての知らない単語を覚えていきます。
慣れてくると、100個覚えるのにかかる時間は約1時間、周回数は5, 6周程度で終えることができます。
実質1日1時間の作業と、寝る前と朝起きた直後の確認だけなので、
無理なく続けていける感覚がありました。
1ヵ月やるだけで相当英文が読みやすくなるので、オススメの学習法です。
2.知らない単語を抽出したリストを作り、1つ1つ覚える
2冊分の単語を覚えたら、問題集にあるような単語は9割以上わかるようになっています。
つまり、知らない単語は数えるほどだけになります。
なので、今度は問題集を解いた後に、
「知らない単語を抽出する」という作業を行って
知らない単語のしらみ潰しをしていきます。
僕の場合は、エクセルに転記してリスト化させていましたが、
手書きのノートやメモ帳に書いても問題ありません。
抽出する際に気をつけるのは、1単語につき、1つの日本語訳だけを対応させることです。
例えば、「enroll」という単語を初めて覚える「登録する、入学する」の2つの意味がありますが、
まずは、「登録する」だけを対応させて覚えていきます。
こうすることによって、100個覚えるときの負荷を減らすことができますし、
今後「入学する」の意味で使われているenrollに出会ったときに、
「あっ、enrollって入有学するっていう意味もあるんだ!」
という気づきを得ることができます。
複数の意味がある単語は、インパクトのある気づきを伴って少しずつ増やしていくのが、
負荷が少なくて無理なく続けられると思います。
淡々とやるのがコツ
僕は上記の手順で知らない単語を着々と減らしていき、
結果的にTOEIC900点に十分な単語力を手にすることができました。
正直なところ、勉強している間は、とても「ラク」とは言えない生活でした。
何度か投げ出しそうになりましたし、サボってしまおうと思う日もありました。
しかし、そんなときに妥協せずに、淡々とノルマをこなしていったことが、
TOEIC900点に大きく貢献してくれたのだと改めて思います。
単語学習は非常に面倒くさい勉強です。
なんとなくやりたくないという気持ちもよくわかります。
しかし、その面倒くさいの先に、TOEIC900点につながる道がありました。
よかったら、あなたも是非この道を通ってみてください。
それでは、ありがとうございました。