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【WSL #20】学びは、いかにして充足するか?

 大局的な構想を持っておくと、前に進みやすくなる

こんばんは、くろっきーです。

今日も学びを最大化するためのTipsを書いていこうと思います。

今回のテーマは、学びが0の状態から、どのようなペースで学びが増えていき、最終的にどのように充足していくのか?について、すなわち、学び初めから学び終わりまでを俯瞰した視点をお伝えしていこうと思っております。

この視点を持ってさえいれば、自分の進めているペースが正常なのか、それとも、もう少し意識的にテコ入れをして、学びを加速させるべきなのかが判断できるようになります。

加えて、前に進むにあたって、何を意識して取り組んでいくのがベストなのかが事前にわかるので、混乱を未然に防止し、フォーカスを絞って効率的な努力ができるようにもなるでしょう。

僕がTOEICを学んでいた時は、自分の学んでいくペースが早いのか遅いのか、そもそも何にフォーカスすべきなのかの判断ができずに非常に懐疑的な状態が続き、心が落ち着かない状態で無駄なエネルギーを浪費して学び続けていました。

ですが、TOEIC990点を取ってからは、自分のTOEICでの学びの体験が基準となり、何を学ぶにしても、「今の意識のまま努力していれば大丈夫」という、根拠のある安心感を持って努力し続けることができています。

「このままで大丈夫」という状態になると、無駄な心理的・感情的エネルギーが消費されなくなり、目の前の学ぶべきことに集中できて学びが深まりやすくなりますし、そのおかげで「挫折」とは無縁の人生を歩むことができるようになります。

もちろん、今回紹介する内容は僕自身の実体験と、既存の理論を組み合わせて導き出した内容なので、万人に当てはまるものではないかもしれません。

ですが少なくとも、僕と似たような性格・考え方をしているのであれば、僕自身がこの理論はほぼ間違いないだろうと感じられているので、十中八九当てはまる理論かと思われます。

ご参考になれば幸いです。

それでは見ていきましょう。

 学びの3Phase

まずは、大局を図にしてお見せしておきます。

横軸が「時間の経過」を表し、縦軸が「学びの充足度」を表しています。

赤線で示しているのが、その時間における学びの充足度ということになります。

赤線の遷移は、緩やかに、ジワジワと学びが深まっていき(導入期)、途中から一気に学びが大きく深まり(成長期)、徐々に成長スピードが遅くなって充足度100%に限りなく近づいていく(成熟期)、という感じで進んでいきます。

導入期、成長期、成熟期という言葉からピンとくる方もいるかもしれませんが、この図は製品ライフサイクル理論(Product Life Cycle: PLC)を参考にしています。

PLCはあくまでもマーケティングの理論ではありますが、TOEIC満点を目指したプロセスでの学びの深まり方にもピッタリ当てはまるなぁと感じたので、学びの深まり方としてイメージ図を作成しました。

それぞれの期間について、例としてTOEIC学習を交えながら解説します。

 導入期

導入期は、知識0の状態から始まり、基礎がある程度のレベルに到達するまでの期間のことを示します。

時間として占める割合としては、全体の50〜60%くらいで、その分野の学習の大半をこの期間で過ごすことになります。

なので、それだけの時間を“基礎固め“に割くことになることは、事前に受け入れた上で勉強していった方が賢明でしょう。

ところで、どの分野でも、先駆者が取りまとめてきた「基礎」とされる情報が存在しますよね。

  •  その分野では常識とされるような知識
  •  上手く納得感が得られる考え方のパターン
  •  有効なマインドセット
  •  具体的な思考処理プロセスetc…

まずは、さまざまな情報源からこれらの「基礎とされる情報」を特定し、地に足をつけて、素直に1つ1つ身につけていくことにフォーカスするのが、この期間では大切なこととなります。

TOEICで例えるならば、

  •  まずはTOEICに特化している文法書を1周通読することで、TOEICで狙われやすい文法事項を知り、まだ覚えていなかった文法事項の原則を1つ1つ覚えていく
  •  「自分が発音できない音は聞き取れない」という基本原則を知った上で、英語に存在する発音記号全てを、自分の口で、正しく発音できるようにする
  •  TOEICに出やすい単語がまとめられている単語帳を使って、自分が「すでに覚えられている単語」と「まだ完璧に覚えられていない単語」を仕分けし、後者の単語を1つ1つコツコツと覚えていき、その単語帳に載っている全ての単語を覚えられている状態を作っていく

これらが、導入期にフォーカスすべきこととなります。

これらの基礎を固めずに前に進もうとしてしまうと、せっかく新しく出会った未知の知識を、その場で吸収できなくなるリスクが増えてしまいます。

イメージとしては、網目の粗いざるに、砂を流し入れているような状態です。

基礎が固まっていない、つまり、ざるの編み目が粗いと、新しく入ってくる情報を受け取るだけの余裕がなく、ざるに砂を注ぐが如く、そのままキャッチできずにスルーされてしまうようなことになってしまいます。

いちおう学習を続けてさえいれば、いずれはざるの網目が細かくなっていき、これまでスルーされていた砂(=情報)もキャッチできるようになるかもしれません。

ですが、それでは二度手間になってしまいさらに多くの時間がかかってしまうので、この導入期に網目を一気に細かくしていく、つまり、基礎を一気に身につけて自らを鍛えていくことにフォーカスしたほうが良いです。

僕がTOEIC990点に向けて勉強していた時には、最初の1ヶ月半を使って、単語帳の『キクタン』シリーズを総復習する時間を設けていました。
(文法と発音に関してはTOEIC900点を目指している際に固めていたので特段時間は設けていなかったです。)

ご自身の可能な範囲で実際に基礎固めにフォーカスし、ある程度の全体像が見えてきて、基礎も大方身につけてきたら、導入期は終了となります。

ちなみに、この判断は、ご自身の感覚で構いません。
(ただし、より高い基準で取り組んでいただいた方がのちのち役立ちます)

導入期を終わりにするための客観的な指標を定めるのは難しいです。

なぜなら、学習し始めの時点では最終的に必要な学びの量が正確に予測できないからです。

TOEICの学習を終えた今の僕の感覚として、満点を取るために必要な情報の約20%を習得した時点で導入期を終えて、成長期に以降した感覚があるので、図では20%と定めました。

この値につきましては、ご参考までに。

導入期が終わったら、次は「成長期」が訪れます。

 成長期

成長期は、導入期にある程度の基礎を固めた上で、さらに数をこなしていって学びを強化する期間です。

導入期の部分でも説明しましたが、導入期は基礎固めにフォーカスして、ざるの網目を細かくして、より多くの砂をキャッチできるようにするのが目的でした。

この成長期ではフォーカスすべきポイントが遷移し、とにかく大量に数をこなしていく、経験値を稼いでいくことにフォーカスする期間となります。

言い換えれば、網目を細かくしたざる(基礎が固まった状態)に、次々と砂を投入していく(数をこなしていく)期間となります。

基礎を固める作業をやっているうちは、知識が単一で詰め込まれ、それぞれの関係性がよく見えないままになってしまっている状態です。

  •  それぞれの基礎知識の必要性
  •  重要性のニュアンス
  •  どういう場合に使えるのか
  •  どういうふうに活用していくと効果的なのかetc…

のように、いわば、基礎で身につけた情報に“色”や”濃淡”を付けていくことをやっていきます。

この期間は、全体から見れば25%程度の時間を割くことになります。

僕のTOEIC学習を例にとれば、2015年の11月から2016年の1月頭までの約2ヶ月間を使って、「10000問ノック」と呼ばれる取り組みをやっていました。

文字通り、TOEICの問題を10000問を解いていく取り組みですね。毎日200問の問題を解いて、採点して、間違った問題を復習して、という作業をひたすらに繰り返していました。

【TOEIC勉強39日目】TOEIC10000問ノックをやります!

この10000問ノックが終わったのがTOEIC本番の前日で、その次の日のTOEICでは、自分でも信じられない点数が出ていました。

単語・リスニング多解き17日目(2100/4313単語)(2500/5000問完了)

しっかりと基礎を固めた上で、自分の持っている時間とエネルギーリソースをありったけ「数をこなす」ことに注ぎ込むことで、これだけの効果が出るのだと思います。

この経験からも、成長期に入ったな、と思ったら一気に数をこなしていくことにフォーカスすべきだと思っています。

ポイントとしては2つあると思っていて、

1つ目が、「自分の想像の限界を超えた“量”を目標にすること」

2つ目が、「自分の限界ギリギリの“ペース配分”で進めること」

です。

1つ目の量の基準についてですが、みなさまは、「10000問」という数値を見てチャレンジしてみようと思えますでしょうか。

「あぁ、果てしない数値だ…」
「自分には無理そう…」
「正直、取り組んでいる自分の姿が想像できない」

そういった感想になっていればOKです。ベストな基準と言えます。

どのような分野であれ、このような達成がほぼ不可能と思われるような基準を設けて、それに実際にチャレンジしていくことが、成長期では重要となります。

気が遠くなるような数値を設定している場合、目標の数値と現在の進捗を照らし合わせてしまい、なかなか進まないことを認識してモチベーションが下がってしまう可能性があります。

なので、マインドセットとしては、その分野における「全てのパターンに出会いにいく」という心構えを持っておくと、毎日安定して取り組むことができると思います。

その分野に関して、未だ見ぬ世界を見にいくワクワク感溢れる冒険家の気持ちで、どんどん前に突き進んで(数をこなして)行ってください。

その分野におけるほぼ全てのパターンに出会えたとき、これから出会えるパターンは全て既知のパターンになることになります。

つまり、「あぁ、前にもあったあのパターンね」と認識して、その時と同じ成功パターンで処理できるようになるのです。

全てのパターンに関して、適切な処理ができるように自分を鍛え終わったときこそが、本当の目標を達成できる状態と言えるでしょう。

2つ目のペースの基準に関してですが、「1日のほぼ全ての時間を費やして、ようやく完了する」くらいのペースをノルマにするのが望ましいです。

僕が10000問ノックをしていた時は、

  •  朝のいく時間とお昼休みにリスニングの100問を解く
  •  仕事から帰ってきて夕飯とお風呂を済ませた後にリーディングを100問解く
  •  リスニングとリーディングの採点と分析を済ませ、その後には自分が覚えていなかった単語を単語カードに抽出する

このサイクルを毎日回していたのですが、それぞれが多くの時間を要するので、上記全てを完了した頃には、ちょうど日付が変わるくらいの時間になっていました。

これくらいのサイクルを回さざるを得ない状況を作っておくメリットとしては、「その目標達成に全く関係のない習慣や趣味、人間関係にエネルギーを割く気にならなくなる」ということが挙げられます。

生活が、その学習一色に染まると、これまでに築き上げてきた知識が凄まじいスピードで脳内で体系化されやすくなり、自分の血肉として使えるようになるスピードが格段に上がります。

逆に、余計な習慣や、本当の目標を無関係の時間を設けてしまうと、そのスピードが急激に落ちてしまい、目標達成までかかる時間が2倍、3倍では収まらないくらいかかってしまうことでしょう。

僕の場合、この成長期はいつもやっていたSNSを完璧に見ないようにしていたり、余計な連絡が来ないようにLINEの友達やグループを断捨離したり、いつもやっていたゲーム機本体を売ってそもそも着手できないようにしていたりなど、余計なことに割くエネルギーを最大限カットしていました。

そのおかげか、10000問ノックは当初掲げていた見通し通り完遂できましたし、先ほども載せたように、自分でも信じられないくらいの結果を出すことができるようになっていました。

成長期だけでも良いので、余計なエネルギーをカットせざるを得ないほどの基準を自分に課して、その完遂にフルフォーカスして生活全体を再構成していくことをオススメします。

やればやるほど得する期間なので、2〜3ヶ月などの短い期間だけで良いので、自分を追い込んで頑張ってみましょう。

見える世界が一気に変わることでしょう。

成長期を終わりにする基準についてですが、これは

「これ以上は、どれだけ数をこなしても変わらないな」

のように限界を実感したら成熟期に移行して良いと思います。

僕も、リーディングがなかなか満点レベルの点数が出なかったので、さらに数をこなしていたのですが、どれだけやっても途中から点数が頭打ちになったのでフォーカスポイントを推移させました。

僕にとっては、そこが成長期→成熟期の遷移の瞬間だったのかなと思っております。

 成熟期

成熟期とは、成長期に大量に数をこなしても拾いきれなかった、いわば「苦手分野」にフォーカスを当てる期間のことです。

どれだけざるの網目を細かくして行ったとしても、それでも通り抜けてしまう砂があるように、どれだけ基礎を固めて、数をこなして行ったとしても、なかなか身につかない基礎が存在します。

それらにフォーカスを当て直して、無理やりにでも拾いにいくのがこの期間の特徴です。

どの分野でも言えることですが、スランプであったり、実力の頭打ちは、必要な知識が不足していたり、これまで覚えていたことを忘れてしまっていることが原因となっています。

なので、この期間に入ったならば、これまでに覚えてきた知識の総復習をすることをオススメします。

TOEIC学習で言えば、これまでに作った単語カード全てを、もう一度1つ1つ見直していく作業をやることをオススメします。

僕のリーディングスコアが頭打ちになった時には、単語カードを約10000枚作成している状態でしたが、それらを1枚1枚見直して「英単語を見て日本語を即答できる束」と「即答できなかった束」に分けました。

そして、その「即答できなかった束」を再度補強するべく、問題を解く数をこなすことをストップして、即答できなかった束の再暗記することに時間を使うようにしました。

その作業を2週間ほどで完了し、その次のTOEIC本番で念願の990点を獲得することができたのです。

結局は、必要な知識が足りていなかったから目標が達成できなかったのであって、その知識を補強してあげれば問題なく目標を達成できるんだなぁ、と強く実感できた出来事でした。

成熟期に入った時には「自分は、これまでかなり頑張ってきた」という信念を持ち始めるのですが、この信念は早急に捨てた方が賢明です。

代わりに、「まだ目標を達成できていないということは、必要な努力が足りていないのだ」と、素直に受け入れることをオススメします。驕りは持たず、謙虚に進んで参りましょう。

個人的には、この期間が一番楽しいと感じていました。

なぜなら、もう少しで目標が達成できる!という期待とクライマックス感を味わいながら過ごすことができるのと、未知の知識に出会ったときに、それが目標達成に必要な貴重なアイテムを見つけたような感覚になるからです。

学習終盤になってくると、ほとんどの知識は自分にとっての常識となっているので、その状態で未だ見ぬ新しい知識に出会うと嬉しくなっていました。

この感覚は個人間で異なると思いますが、少なくとも僕はこういう感覚で楽しんでいたのでご参考までに。

より大きな目標の達成のためには、その分野における知識を100%に近づくまでインプットし続ける必要があります。

100%完璧にインプットすることは非常に困難ですが、いかに100%に近づけるかを楽しんで取り組んでいけると辛さを感じずに頑張ることができると思っています。

 おまけ:Phase4の衰退期

これまで「導入期→成長期→成熟期」と3Phaseを紹介してきましたが、実は僕が参考にした製品のライフサイクル理論には4つ目のPhaseである「衰退期」という概念が存在します。

この期間では、流行が終わり、ユーザーが次々と離れていく現象が観測できます。

この衰退期も学びの充足率では関係があると思っています。

具体的には、成熟期を終えて目標達成できた後のお話になります。

僕もまさに衰退期があったのですが、TOEIC990点を取った後は急激に英語学習への意欲が下がっていました。

かんぺきに「燃え尽き症候群」だったと思います。

衰退期は半年ほど続き、その間はほとんど英語学習そのものに着手していませんでした。

そのせいで、その半年後に受けたTOEICの試験では950点に届かないくらいまでにスキルが落ちていたのです。

この衰退期の経験も含めて、いわば「学びのライフサイクル理論」は現実味があるなぁと感じています。

この衰退期には、さらに視点をスイッチさせて、新しいことを学び続けていくことが有効です。

だからこそ僕は、現状英語のスキルを衰退させないためにも英作文を学んでいます。

英作文という視点で見ればまだまだ「導入期」ですが、同時に英語学習の衰退期を回避したとも言える状況です。

導入期は地に足をつけて必要な基礎をインプットすることが大切なので、これからもコツコツと進めてまいります。

 基礎を身につけて→数をこなし→苦手を潰す

以上のように、導入期→成長期→成熟期→衰退期の流れを見てきました。

目標達成のためには、最初の3Phaseの対局を知っておくことが非常に有効となります。

別の言い方をしてシンプルに表現するのであれば、

基礎を身につけて→数をこなし→苦手を潰す

この流れが重要です。

全ての学びはこの順番で充足していくと僕は思っていますし、このような視点を持って努力すれば誰でもどの分野でもスキルを伸ばすことができて、人にお役立ちできるレベルにまで高まることが可能になると考えています。

ぜひ皆さんも、自分が学んでいる内容にこの視点をインストールして、自分が今どの段階にいるのかをチェックして、必要な視点に気入り変えて効率的に努力して行ってください。

みなさまの、明日以降の学び方が変わることを願っております。


以下は目標管理・進捗メモ・今後の予定・余談となります。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

目的・目標

目的

  • 英語におけるオールマイティとなる
  • オールマイティになっていく過程をお見せする中で役立つノウハウを紹介する
  • 英語学習の理解度を上げる
  • 英語学習のモチベーションを維持する
  • アウトプット中心の生活環境にシフトさせ、文章での価値提供に慣れていく

目標

  • 英検1級合格
  • ブログ記事年間で100記事

現在の進捗

  • 2021年12月1日:参考書1冊目として『[はじめる編] 英作文のトレーニング 新装版
    • 活動:未知のフレーズを単語カードに抽出
    • 結果:600フレーズ分暗記
  • 2022年1月1日:参考書2冊目として『例解 和文英訳教本 (文法矯正編) –英文表現力を豊かにする
    • 英文法知識をScrapboxに抽出
    • 2022/3/3完了:105セクション/105セクションまで
    • 2022/3/4〜(現在進行中):本書内にある未知のフレーズを単語カードに全て抽出

今後の方針

まだまだ「文章」に傾倒して記事を書いて増やしていこうと感じております。

同時に文章術についての技法も学んでいます。

文章術の文脈からも、今回の3Phaseで捉え直して、必要な知識のインプットをコツコツと進めてまいります。

それでは、本日はこのへんで。

ありがとうございました!